蓄電池の仕組みや選び方を解説!
蓄電池の種類とメリット
蓄電池の仕組みとは?
家庭用蓄電池は、電気を「ためる」「使う」ことで、電気代の節約や停電時の安心につながる便利な設備です。ここでは、太陽光発電とセットで使う場合を例に、電気がどう流れているのか、4つのステップで紹介します。
① 太陽の力で電気を生み出す
- 屋根に設置されたソーラーパネル(太陽電池モジュール)は、太陽の光を受けて発電します。太陽光があたることで光エネルギーが電気に変わり、これが家庭内で使える電気の「元」になります。
② 電気を変換する
- 太陽光パネルが生み出す電気は「直流(DC)」と呼ばれるもので、そのままでは家庭の家電では使えません。そこで活躍するのが「パワーコンディショナ(PCS)」です。この装置が電気を「交流(AC)」に変換し、コンセントから使える電気に整えてくれます。
③ 電気を使う・ためる・売る
- 変換された電気は、まず家庭内の電気機器に優先的に使われます。使いきれなかった余剰電力は、蓄電池に貯めるか、電力会社に売電するかのいずれかになります。ここで蓄電池があると、使わない分の電気をムダにせず、夜間や停電時の備えとして活用できるのです。
④ 必要なときに電気を引き出す
夜間や停電時、太陽光で発電できない時間帯には、蓄電池に貯めておいた電気を使います。冷蔵庫や照明、スマホの充電など、暮らしに必要な電力をしっかりサポートしてくれます。全負荷型の蓄電池であれば、エアコンやIH調理器なども使えるため、災害時でも安心です。
家庭用蓄電池の種類
家庭用蓄電池は、停電時にどの範囲の電気を使えるかによって、「全負荷型」と「特定負荷型」に分けられます。それぞれの特徴を知って、自分の暮らし方に合った蓄電池を選びましょう。

全負荷型
家中すべての回路に電気を供給できるタイプ。
特徴:
- 停電時でも普段とほぼ同じ生活ができる
- エアコンやIH調理器、電子レンジ、冷蔵庫などもすべて使える(※電力量に応じて制限はある)
- 配線工事はやや複雑になり、費用もやや高くなる傾向がある
こんな人におすすめ:
- 災害対策を重視している
- 高齢者や小さな子どもがいて、停電時にも快適な環境を保ちたい
- 在宅ワークなどで電源の確保が必須

特定負荷型
あらかじめ決めた一部の回路に電気を供給するタイプ。
特徴:
- 停電時に使える電気は限られる(例:冷蔵庫・照明・一部のコンセントなど)
- 配線が簡単で、初期費用を抑えやすい
- 対象の回路は設置時に選ぶ(あとから増やすのは難しい場合も)
こんな人におすすめ:
- 予算を抑えつつ、最低限の停電対策をしたい
- 停電時は必要最小限の電気だけ使えればよいと考えている
- 電力消費の少ない家庭
ハイブリッド型と単機能型の違いとは?
家庭用蓄電池を選ぶうえで、よく出てくるのが「ハイブリッド型」と「単機能型」という2つのタイプです。それぞれの仕組みや特徴を知っておくことで、より自分の家に合った選び方ができます。

ハイブリッド型
太陽光発電のパワーコンディショナ(PCS)と蓄電池用のPCSが一体になったモデル。
特徴:
- 太陽光発電と蓄電池の連携がスムーズ
- 変換ロスが少なく、電力の利用効率が高い
- 設置機器が少ないため、スペースをとらない
- 初期費用はやや高めになる場合もある
こんな人におすすめ:
- これから太陽光発電と蓄電池を同時に導入する人
- 既存の太陽光設備を入れ替えたい人
- 機器をまとめてスッキリ設置したい人

単機能型
蓄電池専用のパワーコンディショナを使うタイプで、太陽光とは別に管理される。
特徴:
- 既存の太陽光システムを活かせる(PCSはそのまま)
- 導入コストを抑えやすい
- 太陽光と蓄電池の変換は別々に行われるため、電力ロスが発生することも
こんな人におすすめ:
- すでに太陽光発電を設置済みで、そのまま使いたい人
- 予算をできるだけ抑えて蓄電池だけを追加したい人